危険物貯蔵に適した棚の選び方

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危険物貯蔵に適した棚の選び方

投稿:2020年11月6日

危険物 収納 棚について

危険物の収納棚には法令や各自治体の定める強度基準があります。知らずに設置すると申請許可が下りず大変なことに。危険物収納に関するトラブルを未然に防ぐために基準を確認しよう。

危険物の種類と分類

危険物は消防法により第1類~第6類に分類され、それぞれの品目ごとに指定数量(管理の基準)と保管方法が定められています。これらの取り扱い、または貯蔵するためには各自治体への許可申請が必要となります。

消防法における危険物の取扱いについて

消防法-第2条第7項

類別 性質 特性
第1類 酸化性固体 そのもの自体は燃焼しないが、他の物質を強く酸化させる性質を有する固体であり、可燃物と混合したとき、熱、衝撃、摩擦によって分解し、極めて激しい燃焼を起こさせる。
第2類 可燃性固体 火炎によって着火しやすい固体又は比較的低温(40℃未満)で引火しやすい固体であり、出火しやすく、かつ、燃焼が速く消火することが困難である。
第3類 自然発火性物質
及び禁水性物質
空気にさらされることにより自然に発火し、又は水と接触して発火し若しくは可燃性ガスを発生する。
第4類 引火性液体 液体であって引火性を有する。
第5類 自己反応性物質 固体又は液体であって、加熱分解などにより、比較的低い温度で多量の熱を発生し、又は爆発的に反応が進行する。
第6類 酸化性液体 そのもの自体は燃焼しない液体であるが、混在する他の可燃物の燃焼を促進する性質を有する。

一般的に危険物として知られるガソリンや灯油は第4類に分類されます。これらは社会に広く浸透し、市中の工場や一般家庭にも存在しています。

指定数量と取り扱いについて

危険物にはそれぞれ取り扱いや規制の基準となる「指定数量」が定められています。取り扱う量によって管理方法が定められており、一般家庭でもよく取り扱いされている「ガソリン」を例に表をまとめました。

ガソリン(第4類・指定数量200L)

指定数量以上 指定数量未満 指定数量の1/5未満
200L以上 40L以上~200L未満 40L未満
市町村の許可を得た場所で取り扱う必要があり、目的によってそれぞれ製造所・貯蔵所・取扱所と区分されます。 「少量危険物」として市町村の定める防災条例に従い貯蔵・取り扱いを行う。危険物の相談として最も多いケースが「少量危険物」です。 規制対象ではありませんが適切な保管が必要(専用の携行缶や消火設備)。

危険物に設定されている指定数量は総量が対象となります。複数の危険物を取り扱う場合(ガソリン・灯油の備蓄など)は注意が必要です。

農業用の発電機に使用する燃料の備蓄や近くにガソリンスタンドがない場合(地域性)の備蓄など、危険物を取り扱うケースは身近に存在しています。心配な場合は自治体の消防署や消防局へ確認しましょう。

保管機器(棚)の選定

ここからは保管機器(棚)についてまとめていきます。
まず、危険物を取り扱う場合は各自治体の消防署・消防局へ相談のうえ計画書を提出し、保管に必要な設備や強度を確認して下さい。

棚にまつわる確認事項と必要書類

1棚の強度(設計水平震度・設計鉛直震度)

危険物を保管する棚には耐震強度が定められており、基準に満たない棚は保管機器として使用できません。設置場所によって各自治体が定めている「地域別補正係数」「地盤別補正係数」の確認が必要になります。

水平震度係数:kh=0.15(標準値)×地域別補正係数×地盤別補正係数

2構造計算書

構造計算書とは、棚の構造・強度を数値化したもので設置許可申請に必要な書類です。構造計算書の中には棚の立面図や寸法、段位置などが全て記載されるため、あらかじめ収納する荷物の大きさに合わせたサイズや段位置に合わせた設計が必要になります。

危険物 構造計算書

3平面図(レイアウト)

棚のレイアウトを記した平面図の提出が必要になります。提出した平面図と実際の棚配置が異なる場合は消防署の立ち入り検査で指摘を受けるため、提出する平面図は実際の配置に即したものが必要です。

危険物 レイアウト

危険物用の棚設置についてよくあるご質問

設置器具が増えたため棚の位置を変更できますか?

設置許可の再申請が必要になります。

消防署・消防局へ申請した内容に変更が生じた場合は申請内容を改め、再度申請が必要になります。備蓄する危険物の種類や量が変更となった場合には保管設備の大幅な変更が必要になる場合もあるため、事前計画は入念に行う必要があります。

棚を危険物収納用に流用できますか?

流用できるケースは限られており、新設する場合がほとんどです。

既設のスチール棚の流用を検討されるケースは多いと思いますが、通常使用されている棚に比べて危険物保管に使用される棚は耐震強度が高く設定されており、強度基準を満たせない場合が多いと考えられます。

まずは構造計算書が作成できるか、各自治体の定める耐震強度を満たす補強ができるかをご確認下さい。

指定数量未満の場合も申請が必要ですか?

指定数量未満であっても取り扱いが1/5以上となる場合は申請が必要。

取り扱いが指定数量未満であっても、指定数量の1/5を超える場合は「少量危険物」となります。指定数量以上の場合と比べて規制内容は緩やかですが、設置申請許可を行ったうえで各自治体の定める保管設備を整える必要があります。

設置申請した内容に変更が生じた場合(レイアウト変更・段位置の変更・増設など)は変更申請が必要になります。

耐震補強可能な棚

危険物収納に使用する棚は自治体の定める耐震基準を満たす必要があります。「耐震強度」は棚に設定されている耐荷重とは異なり、「揺れ」に対する強度を表します。そのため1段あたり500kgの耐荷重がある中量棚であっても耐震基準を満たさないため危険物の収納には使用できません。

※一般的な業務用スチールラックは震度係数=0.1で設計されています。
危険物の収納に使用するスチールラックは通常、震度係数=0.3に設定されます。つまり、一般的なスチールラックに比べ耐震強度は3倍となります。

耐震補強が可能なスチールラック

種類 内容
ボルト式中量ラック ボルト式中量棚の基本構造はボルトレスタイプと大きな差はありませんが、部材をボルトで接合するため接合強度を数値で表すことが可能です。また、側面/背面の補強に筋交い(ブレース)を取り付け、危険物の収納に必要な強度を満たすことが可能です。
パレットラック パレットラックは大量の危険物収納が可能な大型のスチールラックです。仕様ごとに設計を行うオーダーメイドのため、様々な仕様に柔軟に対応ができるスチールラックです。
ドラム缶ラック ドラム缶ラックは収納効率も良く、限られたスペースで大量のドラム缶を収納することができます。荷物の収納・取り出し作業も安全に行えるよう設計されており、安全面にも配慮されています。パレットラックがベースになっているため設計については柔軟な対応が可能です。

これらのスチールラックは側面や背面にブレース(補強金物)を取り付け可能で、構造計算上の耐震基準を満たす仕様に変更ができます。消防に提出する構造計算書も問題なく発行が可能です。

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